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zoom RSS 坂の上の雲 (11)

<<   作成日時 : 2011/12/11 22:00   >>

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前回の最後、旅順の第三軍による第二回総攻撃が失敗し、第三回総攻撃から始まります。
1904年11月26日ですが、これは第二回総攻撃と異なり地下道を掘っていくつかのロシア軍の永久土塁の一部を攻略していたため、実施できました。
ドラマでも坑道を抜けて攻撃を行っていましたが、これはこのことを表しているのでしょう。
しかし、第三回総攻撃はロシア軍の予備兵力投入によって失敗してしまいます。
続いて、白襷隊を投入しても失敗。
ドラマでは、乃木が方針転換して二〇三高地攻略の決断をします。
史実でも児玉の命ではなく、乃木の決断だったそうです。
しかし、甲斐なく投入した第一師団は失敗します。
なお、今回のドラマの優れているところは、原作は知りませんが、一般的には児玉が来て二〇三高地への攻略に初めて28センチ砲を投入したかのようなイメージがあるのですが、児玉が来る前に史実通りきちんと投入されているところです。
そして、第七師団を投入します。しかし、当初は失敗の繰り返しとなります。
ドラマでもちらりと言ってましたが、二〇三高地はとったりとられたり。
ロシア側もここ一カ所を守れば、旅順の北西からすべて防御できることをわかっているので、必死なのです。

そして、児玉源太郎が乗り込んできます。
ドラマでは、せっかく取った二〇三高地を維持できないのは作戦指導ができない参謀本部が悪い、と怒りますが、つまりタイミングよく兵力投入と補給ができないこと、そして高地を維持するための28センチ砲によるロシア軍奪還攻勢への破砕砲撃をしていない点に怒ります。
実際には前者はただでさえ砲弾が不足しているし、道もない山の上の補給はヘリもない当時に難しかったと思います。
しかし、後者はもっとできたはずなのに努力が足りんと怒られても仕方がないところです。
ま、言う割には後者の描写が抜けていたような気も。。。
そして準備砲撃の後、第七師団による激戦が始まります。
実際にも壮絶な戦いがあったと思いますが、結局のところ山の上の陣地を巡る消耗戦に耐えたのが日本軍、耐えられなくなったのがロシア軍というのが実際だったようです。
現在でも、二〇三高地が陥落したのは児玉の指導のおかげか、そうではないのか意見が分かれているそうです。

ドラマは陥落した二〇三高地から旅順艦隊へ砲撃を行います。
これが間接照準による砲撃です。
28センチ砲はもともと海岸防御のための大砲なので、艦隊を砲撃するのに向いているのでしょう。
たぶん、甲板貫通用の徹甲弾も用意していたのでしょう。
もっとも旅順艦隊は砲撃による沈没なのか自沈なのかいまだに意見が分かれるそうです。

ドラマはここで事実上終わりでしたが、旅順陥落が満州軍司令部からの命令である以上第三軍は攻撃を続けます。
しかし、二〇三高地が陥落したためか、先が見えなくなったためかロシア軍旅順守備隊は降伏を選びます。
ここで日本にとって大事なのは結局のところ、大多数の犠牲の上に旅順を陥落させたという事実でした。
戦争を続けるための資金を集める上で、また講和で有利にするために、必要な犠牲だったと思いたいものです。
それにしても、このドラマは決して乃木を無能扱いしていないところに感心します。
確かに腰の重いところはありますが、当時できうる方法でがんばっていたと思いますし、二〇三高地にしても第一回および第二回総攻撃によって奪ったところがあるので、たどり着けたと思うのです。

今回の見所は、何より28サンチ砲の砲撃シーンにおけるシークエンスの再現です。
28サンチ砲弾を砲尾から挿入し、砲尾を締めています。
なお、これまでの多くの砲撃が砲手が直接目標を視認して照準を定める直接射撃が多かったのですが、日露戦争では日露両軍が照準手からの指示で射撃目標に砲撃を行った間接射撃が一般的になっていきました。
しかし、ドラマでもあったように砲撃するとその反動で大砲そのものが後退して反動を吸収する形なので、精密射撃は無理でした。
それでも、砲撃する大砲が見えないのに砲弾が飛んでくると言う新しい時代に入っていたのです。
また、ロシア軍の水冷式マキシム機関銃がきちんとベルト給弾が軽快に動いているところと、射撃後に銃口横の口から蒸気が噴き出しているところです。
マキシム機関銃は水冷式です。つまり、連続射撃すれば加熱する銃身を冷やすために水を使います。
具体的には銃の前方から真ん中あたりまで包んでいる丸太みたいな部分です。
そこに、水を管を使って補給するわけですが、銃身が加熱するので当然水は蒸気になります。
その蒸気が漏れているのです。
なお、空冷式の機関銃が一般化するのはもっと後、第二次世界大戦のときです。
そして、ドラマでは当たり前に鉄条網を超えていってましたが、当時は発明されてまもないものです。
それが旅順では使われているのですから、おそらく日本軍の上から下まで初めて見る防御施設だった可能性があります。
その対抗策は、血で購うしかなかったのかもしれません。

前回書き忘れたのですが、当時要塞攻略するには、塹壕を掘り進めるか、坑道を掘って進んでいくしかありませんでした。
塹壕を近くまで掘り進んでいって、それから敵の塹壕を突撃して奪っていくしかありません。
近距離砲撃が可能な迫撃砲もなく、臨機応変に対応できない大砲しかありません。
初期の手榴弾、一発一発装弾するライフルと銃剣で突撃するしかなかったのです。
後の日本軍と違い、当時の日本軍は決して突撃思考の戦術よりも、射撃による戦術を優先していたそうです。
むしろ意外ですがロシア軍側がライフルなどの銃砲を信用していなかったそうです。
ですが、要塞を前にして日本軍は肉弾突撃しか方法論がありませんでした。
そして、いつしか資源のない国の戦術は肉弾による突貫攻撃しか考えなくなっていったのは悲劇だと思います。

それにしても、汚い戦闘シーンを久しぶりに見ました。
噛みつき、石で殴打、銃剣での殺傷。
しかも、テレビドラマで。
「江」もこれに予算吸い取られたのね?

明日は「二百三高地」
来週から主役が連合艦隊に移ります。
あれ、好古にいちゃんは?

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坂の上の雲 第11回「二〇三高地」
今回は、乃木希典が指揮する第三軍による旅順要塞総攻撃がほぼ全編にわたって繰り広げられていました。この1つの戦いに1時間以上を費やしてじっくりとみせるのは、後にも先にもこのドラマだけなんだろうなと思うほど、内容が充実していました。戦争というものを肯定するつもりはありませんが、指揮官だけでなくその配下で必死になって戦っている将兵たちの生き様をこれでもかという位に目の当たりにして、これまでにない複雑な気持ちになります。 きっと、これに続く第二次世界大戦、太平洋戦争という場面では、もっと兵力が乏しい中で... ...続きを見る
あしたまにあーな
2011/12/12 21:02

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