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zoom RSS 坂の上の雲 (10)

<<   作成日時 : 2011/12/04 22:46   >>

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前回、といっても一年前ですが、日露戦争が開戦してまもなく、ロシアの旅順艦隊を封じ込めるべく、旅順港封鎖作戦を実施しましたが、失敗。
広瀬中佐も戦死したところで終わりました。
あれ?旅順艦隊のマカロフ提督って死んだっけ?
ともかく、戦争はまだまだ序盤。
今回はその続き、といっても一気に時間は進みます。
1904年7月、ドラマは旅順の東の南山を攻略し、大連を占領したところから始まります。
この頃までに日本第一軍は、鴨緑江を渡河して遼東半島をつらなく山脈を越えて遼陽へ北進した後、手前で停止していました。
大連を占領した第二軍もその後、鉄道線沿いに北上し、これまた遼陽の手前で停止します。
ここまでロシア軍は後退を続けていたのには理由があり、元々ヨーロッパの平野で戦うことが前提のためかロシア軍は山岳戦闘が苦手でした。
ロシア軍司令官クロパトキンは、日本第一軍による迂回を恐れて後退命令をだし、遼陽の手前まで下げることにしました。
ということが、ドラマでは描かれていない状況です。

遼陽開戦の前に、海軍が旅順艦隊を撃滅しておきたいと言い出します。
これはバルチック艦隊と合流されては、海上補給線を脅かされるためです。
陸続きのロシアと違って、日本軍は、兵士、衣服や弾薬などの補給物資をすべて日本から船で送るしかありません。前近代であれば現地調達の名前の略奪もありますが、そんな時代ではありません。
新聞を通して世界が見ています。
旅順艦隊を撃滅するには港から追い出すか、砲撃で停泊しているところを沈めるしかありません。
海軍がそれをしようにも、ロシア旅順艦隊は港に奥深くとどまり出てくる様子もないので、陸軍に依頼することしかできません、
それが冒頭の陸海軍の連絡会議でした。
ロシア陸軍主力撃滅を主目的とする日本陸軍は旅順を軽視します。児玉源太郎が竹矢来をくんでおけばよいと発言がそれを表しています。
それよりこのシーンの注目すべきところは、陸海軍の対立に調停者がこの時点からすでにいないことです。
それぞれが独立した組織であり、平等です。
グランドデザインに基づく戦略を立案するものがいないのです。
この問題がこの時点から太平洋戦争に至るまで解決されないままで進んでしまうことは言うまでもありません。
ともかく、第二軍から兵力を割いて、第三軍を作り、旅順攻略に当てることになりました。
海軍は203高地を攻略さえすればよいと言うことに対し、陸軍は旅順攻略を選択することになりました。
陸軍が旅順艦隊を撃滅するのに、撃沈するだけの装備を持ち合わせていないこともあり旅順の港湾施設を破壊することで達成する予定だったそうです。
そのため、旅順を攻略することになるのです。
なので、秋山真之が力説してもとうてい実現できない無茶な話ということになります。

日本陸軍が旅順攻略に着手したため、ロシア旅順艦隊はウラジオストクへ回航することになりました。
ドラマでは、絵だけで終わりましたが、この黄海海戦は実はいろいろありました。
だいたい旅順艦隊司令官のウィトゲフトは日本連合艦隊と戦うのを恐れるあまり、出航命令を拒否していました。
結局皇帝命令ということで回航することになったのです。
この時点での両軍の艦隊の火力は少しだけ連合艦隊が上でした。
戦闘は8月10日12時ごろ連合艦隊からの砲撃で始まります。
しかし、ロシア旅順艦隊はウラジオストクへ逃げることが目的なため戦う気がありません。
一方、連合艦隊は撃滅の千載一遇のチャンスとばかりに砲撃します。
逃げる相手を追いかけて砲撃しても致命傷を与えることができず結局15時ごろいったん戦闘は終了します。
のろのろとおいかけて彼我距離が縮まった17時30分頃砲撃が再開されます。
このときもなかなか致命傷を互いに与えることができないでいましたが、日没直前ウィトゲフトの座乗する旗艦に数発着弾し、ウィトゲフト以下艦隊司令部をなぎ払ってしまいます。
しかもウィトゲフトはこういったときの指示を与えていなかったため旅順艦隊は混乱し、連合艦隊は絶好のチャンスを得るのですが、残念なことに日没を迎えてしまいました。
当時はまだ夜戦が満足にできる時代ではありませんので、これでいったん戦闘は終了するしかないのです。
旅順艦隊は結局、旅順へ戻ることにしました。
なお、ウラジオストクに旅順艦隊は回航できたかというと、戦闘で石炭を消費すると難しかったようです。

さて、ドラマでは遼陽周辺に舞台が移りました。
8月26日に遼陽会戦を始まりますが、この目的は遼陽占領ではなく、あくまでロシアン軍主力撃滅です。
この当時はまだナポレオン時代からの伝統である主力決戦の思想からまだ抜け出ていないのです。
ドラマでも言っていたとおり、日本軍は13万4千、ロシア軍は22万4千でした。
日本軍の主正面は第二軍、第四軍が担当し、第一軍は右翼を担当していました。
日本軍は最初こそ調子よかったのですが、ロシア軍は三段の陣地を構築しており、三段目まで追い込んでそこで行き詰まってしまいました。
ドラマでは秋山好古率いる騎兵旅団が日本軍左翼からロシア軍後方を脅かしたような描き方でしたが、実際には右翼の第一軍のさらに右翼を、一個旅団が後方へ迂回しようといました。
この報告がロシア軍司令官のクロパトキンにも届きますが、なんと数倍の兵力になって報告されました。
そのため後方への連絡線が遮断されると考えたクロパトキンは突然、後退命令を出します。
もはや予備兵力もなく、弾薬も尽きかけていたので、致命傷を負う前に撤退を選択したのです。
ドラマでは追撃しなかったことを責める本国の大本営に対し、児玉源太郎は激怒していましたが、一部の部下は攻撃すべきと主張していました。
ですが、ほとんど弾薬も尽きかけていたので、できずじまいでした。

一方、旅順では第三軍は攻略に失敗していました。
日本軍は8月19日第一回総攻撃を開始します。
ドラマでは無謀な攻撃を行うような描き方でしたが、実際には5日間にわたり準備砲撃をしていますし、それに先だってロシア軍の前進陣地を攻略しています。
後の要塞攻略では攻城砲を用いることが常になりますが、この時点の第三軍には旧式な攻城砲しかなくベトン(コンクリート)で固められた要塞には無理でした。
なお、ドラマでは旅順要塞にはベトンで固めてしっかり準備していたような描き方でしたが、急ごしらえのトーチカが多く、多くはベトンで固めることができていませんでした。
それでも攻略するには多大な犠牲を払わなくてはならなかったのです。
日本軍は満州軍司令部より急かされて10月26日に第二回総攻撃を行います。
このときも、先だってロシア軍の前進陣地を攻略しています。
ですが、主目的の陣地を攻略には失敗しました。
それでも、一回目の第一回総攻撃では15000もの損害に対して、第二回総攻撃では4800ですんでいます。
ドラマでもたまに出てくる手榴弾ですが、これに現場ではだいぶ改良を加えていたようです。
また、第二回総攻撃のときはいろいろと改善を図って攻撃したそうです。
そういう意味では、ドラマで乃木将軍が「みんないろいろがんばってくれている」というセリフは間違いではないのです。
ドラマでは、日本軍が砲撃を受けるシーンで地面が爆発する砲弾と空中で破裂して降り注ぐ砲弾がありました。
前者が榴弾、後者が榴霞弾と言います。
陣地攻撃では榴弾が効果的なのですが、当時の各国の軍隊は榴霞弾を多く携行していたそうです。
それでは、陣地攻略も進まないわけです。
ドラマではすぐに弾丸が足りない、と言ってましたがこれは効果が薄いためどんどん砲弾を撃ち込んでしまうため、さらに消費が進んでしまうと言うことがおきていたそうです。
また、野戦でも普通に野戦陣地を構築する時代に入っていたのです。
これは、日本では幕末にあたる南北戦争ですでに出現していたのですが、まだまだ軍隊の戦術、装備は追いついてなかったともいえます。
なお、ドラマでは、たぶん原作も第三軍が28サンチ榴弾砲を断るシーンがありましたが、あれは事実ではないそうです。ドラマでも言ってましたが間に合わないため、今後のために送ってくれって言ったそうです。

さて、次回は203高地を巡る戦いです。

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坂の上の雲 第10回「旅順総攻撃」
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あしたまにあーな
2011/12/04 23:00

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